ESR(ElectroSlag Remelting) - エレクトロスラグ再溶解炉 - Inductotherm Group Japan Ltd.
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ESR(ElectroSlag Remelting) – エレクトロスラグ再溶解炉

1960年代、コンサークの技術者たちは、当時一般に行われていた方法とは大きく異なる新しいエレクトロスラグ再溶解のアプローチを思いつきました。プロセスの効率と性能を大幅に向上することに成功したコンサークは、現在ではESR装置のリーディングカンパニーとして世界中のお客様に高い評価を受けています。

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インダクトサームグループジャパン株式会社

神戸市西区南別府1丁目3-10

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仕様

コンサークはESRの初期の技術革新以降も次々と新しい製品やプロセス強化をご提案し続けています。今ではESR装置の“標準”となっている機能の多くは、コンサークが開発し発展させてきました:

  • ロードセルを使用し、溶解中の電極の重量を絶えず計量することで、より正確に溶解速度を計測
  • PC/PLCベースの溶解制御装置で溶解プロセスを完全自動化し、手動操作を排除。精度の高いプロセス制御で最終製品の品質を安定させる
  • 溶解中はいつでも電極先端位置を水平調整できるので(X-Y軸調整)、ルツボの電気的、熱的中心を保ったままプロセスを保持
  • 110トン、1800mm径までの大型丸インゴットや、30トン、760 x 2000mmまでのスラブインゴットの溶解にも対応
  • 溶解ゾーン上にドライエアを使用し、大型スチールインゴットでの水素付着をなくし、金属の脱硫能力を保持
  • 不活性ガス溶解システム(IGMS – Inert Gas Melting System)。溶解ゾーン上に不活性ガス(アルゴン)を使用し、無酸素、無窒素の溶解環境を作り再溶解スチールグレードの清浄度を向上。また活性金属(Al、Si)の濃度コントロールを助け
  • 振動型スラグフィーダ。PC制御の振動型スラグ追装機の自動化や一貫性のあるスラグ溶解の立ち上げ実行の提供
  • 再溶解プロセスでのラムおよび電極の精密な制御を可能にするシングルサーボモータラムドライブなど完全電気機械化

仕様

 

凝固制御 - ESRプロセスにおける主要ファクター:
近代的なESR装置を使用する主な理由は凝固の制御です。取鍋製錬プロセスや真空誘導溶解プロセスでも、清浄度が高く優れた化学特性を持つ溶融金属を大量に効率よく生産することができます。しかしながらこうして得られた金属をそのまま鋳型に入れると、偏析や凝固収縮が起こり、しばしば使用に適さないインゴットができてしまいます。これは工業的に使用されるインゴットのサイズを得ようとすると、非常に長い凝固時間を要するためです。

ESRにおいては、このような使用に適さない金属を再溶解し、電極断面を化学的に均質化します。インゴット上部の比較的薄い金属層のみを一度に溶かすべく溶解速度を制御するので、金属は比較的早く再凝固します。

こうすることでマクロ偏析効果を避けることができます。また、凝固(収縮)しつつある金属の上部には常に液体金属があるので、引巣や気孔を防ぐことができます。プロセスを適切に遂行することで、化学的に均質な高歩留なインゴットを得られます。

同軸ESR炉体:
コンサークはエレクトロスラグ再溶解プロセスの発明者ではありません。しかし1966年、コンサークはこのプロセスの異なる形を考案しました。そしてこの新しい形が航空宇宙産業を始めとする最も要求の厳しい業界で使用される金属の生産に現在も利用されているのです。

コンサークが考案した新しいESRの形とは、“高充填率”電極(ルツボ径に近い径の電極)の使用と、商用周波数炉体の組み合わせです。商用周波数炉体では、主パワーコンダクタが溶解ゾーンの周りに同軸方向に配されます。高充填率電極には次のような大きな利点があります:

  • 電力消費を抑える
  • インゴット品質を高める
  • インゴットを改善する

同軸コンダクタを採用することで、小型でより効率の良い電源装置を使用でき、溶解中の望ましくない電磁かくはんを減じることができました。さらに、すべてのESR装置の特徴であった、漂遊磁界の渦電流で鉄製架台が加熱され、隣接する誘導溶解設備に磁気相互作用を起こしていた現象もなくなりました。

コンサークのESR装置ではすべてこの同軸設計原理が採用されています。

ESR装置構成(固定式、電極交換式、複合式)
近年ではほとんどのESRがシングルヘッド、2溶解ステーションを基本としています。コンサークではツインヘッド電極交換式炉体の製作も行っています。ツインヘッド電極交換式炉体では中心部でカラーモールドによるインゴット引き抜き、または固定モールドの溶解をします。

コンサークではまた、ツインヘッドで中央電極交換式、外部固定式溶解ステーション複合式の設備もご提供できますので、フレキシビリティに優れ、幅広い電極素材に対応できます。

フレキシブルスタートアップ手順(ホットスラグスタート/コールドスラグスタート):
コンサークのESRは、プロセスやお客様の好みに応じて、溶融スラグでコールドスラグ/ドライスタート、または溶融スラグを使用したホットスタートのどちらかで操業できます。

多くの場合はコールドスラグスタートが好まれます。コンサークのPC制御の振動型スラグフィーダで自動化し、スラグ溶解フェーズ中のスタートアップ手順の一貫性が得られます。

コンサークは必要に応じてスラグ溶融炉の設計製作も承ります。

独自の電源装置で信頼性をアップ:
ESR装置メーカーで、電源装置の自社設計、自社製作をしているのはコンサークだけです。自社製作なのでお客様の溶解アプリケーションの要求にぴったり合った電源装置をご提供できます。コンサークESRの電源装置は、堅牢、水冷、リアクトル式シングルフェーズAC電源です。またコンパクトサイズなのでフロアスペースを節約できる上、長寿命、高信頼性で操業保守コストの削減にも貢献します。